「スイミング・プール」 フランソワ・オゾン
- 出版社/メーカー: 東北新社
- 発売日: 2005/01/21
- メディア: DVD
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高校の時、親から試写券をもらい、竹橋の映像学校みたいなとこの試写室に通った。
インディーズっぽいフランス映画の意味わかんなさにオトナの香りを感じて、セーラー服が窮屈になるくらい、背伸びができた。
色々見た中で一番キョーレツだった監督が若かりしころのフランソワ・オゾン。
フランス映画とゆうたら「ベティブルー」くらいしか知らなかったお子様のふよふよした感性に、ハンマーで殴りつけるみたいな衝撃を与えてくれた。
主人公一家がペットのねずみに侵食されてく8分くらいの思いっきりマイナーな短編映画や、渋谷で公開された「SitCom」なんかを覚えてる。
あれだけ自分の美意識を貫いていた監督が、役者に英語をしゃべらせてる、ってんで借りたこの映画。
イギリスの女流小説家がフランスの田舎に原稿書きに行くっていうだけの話で、同じ別荘に帰ってきた奔放な少女に嫉妬したり、感情移入したり。
でも結局は全部彼女の妄想?みたいな終わりになってる。
で、とにかくみんなよく脱ぐ。
若い子が脱ぐのはいいけど、40がらみのヒロインとか、おなかが突き出たおっさんとかが裸体で…てのは醜悪ね。
登場人物の頭の中をなめるように描き出してく手法や、結局妄想なのかしらん?ってオチのもってき方は変わってないんだけど、高校のとき感じた肌がざわざわするようなエロチシズムはかなり薄まってた。
たぶん、自分の精神が老けたんだろうし、フランソワ・オゾンも商業主義を学んだんだろうし。
幻想を幻想のままで留められたらどんなにかシアワセ。